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目次
スーパーライトゲーマーから見たSEKIROの評価
スーパーライトゲーマーが無謀にもSEKIROに手を出した理由
僕がスーパーライトゲーマーであることはこちらにも書いたとおりだ。
いやはやそこにきてこのSEKIRO、ライトゲーマーお断りどころかヘビーゲーマーすら二の足を踏む難易度だという。
そんなもの頼まれてもやらない僕なのだが、如何せん友人がやれやれとうるさくて敵わない。(友人はヘビーというほどではないがゲーマー)
あまりにうるさいので、友人たちゲーマーと一般人の感覚の違いというものを、酒でも飲みながら一晩中ぐちぐち言ってやりたくなり、一度プレイしてみることにした。
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE とは

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE とは、2019年に発売された激ムズゲー。
激ムズゲーの請負人、フロムソフトウェアが作った、それまでの激ムズゲーを鼻で笑うような激ムズゲー、それがSEKIROらしい。(セキロウではなくセキロと読む)
後から友人に聞いたのだが、デモンズソウルとかダークソウルとかの会社じゃないか。
いくつかやったことあるけどクリアできなかったよ。
あいつ絶対わざと言わなかったな。
死にゲー中の死にゲー、それがSEKIRO
フロムソフトウェアが作る激ムズゲーはとにかく死にまくることで有名だそう。
というか死んで覚えることが前提で作られた難易度であるらしい。
なんて悪趣味な会社なんだ。
そういえば昔やったデモンズソウルだかダークソウルだかも、悪趣味な救いも何もないゲームだった。
まあそこがワクワクしたんだけど。
死んだか?
もう死にまくりですよ!
面白かったか?
めちゃくちゃ面白かったよ、ちくしょう!
ハマりまくりの死にまくりだったわ。
SEKIROを実際にプレイしてみる
最強のボス、河原田直盛
まずはチュートリアル的なものから始まるので、操作を覚えながら進めていく。
その操作自体はそれほど難しくなく、直感的にスルスルとキャラを動かすことができる。
動くスピードも速く爽快である。
グラフィックも美しい。
さて、少し進めると「侍大将 河原田直盛」なる明らかに他の雑魚より恰幅のいい敵が現れた。
特に喋ったりはしないが名前がついている。中ボス的なヤツだろうかと考えながら挑んでみる。
そしたらあっという間に殺された。
まあまだチュートリアルだから、これはあれだ。死ぬヤツだ。1回死ぬパターンのヤツである。
もう一度挑んだ時に、なんか天の声みたいのが聴こえてきて、こうすれば勝てるんだよ的な流れのやつね。
と思いもう一度挑んだら、前にも増して瞬殺された。
は? いやいや、おかしいでしょ。
あれか、防御にまわって少し耐えるやつか。そしたら天の声、もしくは相棒の犬みたいなのが助けてくれるやつか(そんなのいない)
そう思い逃げ回ること10分ほど、特に何も起きはしない。
そこにきてやっと僕は気づいたのだ。
これ自力で倒さないといけないやつじゃね? と。
いやもうほんと無理、強すぎる。
かつてソウルシリーズで少し学んだ、必殺「ステップで回り込んで背中を打つ」も通用しない。
ゲームが3Dに進化してからこればかりやってきた僕だ。十八番を封じられては勝つ術がない。
どうやら真っ向勝負をしなければならないようだ。
ガード不可攻撃があって、突きにはL1ボタン、下段には×ボタン、掴みは○ボタンで対応しないといけないのだが、そんなんスーパーライトゲーマーには無理。まさにムリムリの無理ゲー。
もうそこで友人に電話してやめる宣言をしようと思ったのだが、しゃべりもしない中ボスかどうかもわからんヤツに負けっぱなしでは一生後悔しそうである。とにかくこいつを倒したらディスクを叩き割ってやろうと心に決めた。
視える……!

昔の漫画には「視える……!」というお決まりの展開があった。
それまで目で追えなかった敵の動きを、主人公が急成長したことにより対応できるようになるという、レベルアップを表現するのに便利な描写である。
だが現実の我々は凡人であり脇役であり、戦闘力5の普通の人間だ。
常に主人公の成長を、漫画もしくはテレビの外から眺めていることしかできなかった。
しかしセキロはそれを自らがリアルに体験できる。
というのも、あれほどボコボコにやられていた河原田直盛の動きが、少しずつスローモーションに見えるようになってきたのだ。
そしてモーションの出始めでその先の動きを予測できるようになる。
死にまくるだけでキャラはなにも強化されていない。
強化されていたのは自分である。
そしてこの河原田直盛、よく見れば下段攻撃ばかりである。(気付けよ)
お前の動きは全て見切った、というやつだ。
そこからは余裕……、と言いたいところだが、更に何度も死に、最終的にギリギリの戦いを制し勝利を収めた。
その達成感といえば、もう最高である。
勝利の雄叫びをあげたのは言うまでもない。
最初のボスが最強のパターンか、と思ったら
実はこの河原田直盛、わざとあえて強く作られているのでは?
と、勝利の興奮冷めやらぬ中、僕はそう考えた。
いくらなんでもあんなものが続々でてくるわけがあるまい。
このゲーム、一筋縄ではいかないのだぞ、というハッタリだろうと。
ま、このゲームをやったことある人ならお分かりだろうが、そんな考えはびっくりするくらいあっさりと覆されることになる。
河原田直盛は本当に凡庸な、ただの中ボスだった

進めていくと、河原田直盛はただの中ボス、なんなら初心者用の弱い中ボスであったことが分かる。
なぜならこの先、河原田直盛がお可愛くみえるほど凶悪な敵ばかりだったからだ。
赤鬼、火牛、鬼刑部、獅子猿、まぼろしお蝶、破戒僧、佐瀬甚助、等々絶望的な強敵が行く手を阻む。
そして中盤の大ボスのあいつと、ラストバトルのあいつ。
もうね絶望すら生温いというかね、ムリなんだよ無理無理。
河原田直盛なんか目じゃないね。ていうかあんなの雑魚だよ、ハナクソだよ。
上にあげたやつらと比べればね。
ちなみに書いてないだけでこの何倍もの数のやばい中ボス大ボスがいるからね。
そいつら誰一人として弱いヤツなんかいなかったよ。
ムズすぎる。それでもハマってしまうSEKIROの魅力
M専用ゲームなのか?
僕はMではない。というやつほどMだという声が聞こえてきそうだが断じてMではない。
どちらかといえばS側に属する人間である。それでもこのゲームにはまってしまった。
死にゲーといえば何度死んでも挑戦するマゾヒストに好まれるゲーム、というイメージがある。
だがこのゲームに関してはそうではない。
自分をギタギタにしたあの野郎を、逆にギタギタにしてやるというサドにこそおすすめするのがこのSEKIROなのだ。
最後の忍殺を決める時には、ここに書けないほどの口汚い罵詈雑言をまくしたてている。
ラスボスにすら、いやラスボスにこそ罵りまくったことを覚えている。
成長要素

このゲームの画期的なところがこれだ。成長要素が他のゲームとは一線を画している。
その他のゲームの多くが、キャラのパラメータを成長させることにより、敵に打ち勝つことができるように作られている。レベルアップや強力な武器防具、新たな技や魔法といったところがそれにあたる。
これらを上げると勝てなかった難敵にも、嘘のように簡単に勝てるように調整されている。
だがSEKIROは違う。もちろんそういったパラメータの成長要素はあるのだが、多少パラメータをあげても、勝てない敵には全く歯が立たない。
なにせ一太刀も浴びせることができずに惨殺されるのだ。パラメータもクソもありゃしない。
そう聞くとライトゲーマーは二の足を踏むことだろう。だが心配はいらない。クソ雑魚である河原田直盛にボコボコにされた僕でも、ゲーム史上最ムズと言われたラストボスを、真っ向勝負で倒せたのだ。
その鍵は上述した、このゲーム独自の成長要素にある。
ではその成長要素とは一体なにか?
言ってしまえば簡単だが、それは操作する自分自身の成長である。
経験値という値を操作するキャラクターではなく、操作するプレイヤーに蓄積させることに本作は成功している。挑戦すれば挑戦するほど、確実に勝利に向かうように調整されているのだ。
ここまでの成長体験をできるゲームは他になかった。
初期のファミコンゲームのように、ただただ無理なだけのゲームに終わることが多かったように思う。
これこそフロムソフトウェアが仕掛けた、大胆な成長要素といえるだろう。
文字通り死ぬほど難しかったのに全クリできた
他の章で多少書いたが、僕はこのSEKIRO: SHADOWS DIE TWICE をなんとか全クリできた。
とにかく死にまくり、心が折れそうになる場面もたしかにある。というかまさに死ぬほどある。
特にラストバトルはゲーム史上最ムズとまで言われているのだ。実際ムズイなんてものではない。
一見スーパーライトゲーマが踏み込んではならない領域に思われる。
だが、だがである。少しずつ試行錯誤して挑めばなんとかなるのだ。
あなたがあなたの中に経験値を蓄積させていけばきっとクリアできる、はず。
たぶん。
できたらいいなあ……。
自信にもなる
昨今ネット対戦が当たり前になり、僕のゲームに対する自信は(元からあまりなかったが)粉々にされた。
もう明らかにロクに操作もわかってないような挙動をする輩からも、ボッコボコにやられるのだ。
そんなゲームに少し苦手意識を持っていた僕でもこの最難関といわれるゲームをクリアできたのだ。
もうどんなゲームがきても苦手意識をもつことはないし、僕が頑張ってもちゃんと動かないゲームは、そのゲームの作りが悪いのだと、胸を張っていうことにする。
ゲームくらいで大袈裟かもしれないがこのSEKIROというソフト、人は確実に成長するのだということを教えてくれるソフトだった。
なにか困難にぶち当たった時、
「SEKIROクリアできたんだから大丈夫」
とわりと本気で考えている。
オープンワールド、ではない?

オープンワールドというといわゆる「スカイリム」とか「RED DEAD REDEMPTION」が挙げられるだろうが、SEKIROはそういう意味のオープンワールドではない。
小規模なステージがシームレスにつながっているイメージである。
オープンワールドではないから面白くない、と怒っている人がいるようだが、
僕は別にそこらへんの草むらに入れることに喜びを見出す人間ではないので、まったくもってどうでもいい。
というかオープンワールドってめんどくさいんだよね。
なんで話ききにいくだけでこんな移動しないといけないんだって思うし。お使いイベント多いし。
このゲームはイカれた強さの化物とガチンコでイカれた闘いをするのが目的なので、そういう意見をみるとピントがずれてるなあと思ってしまう。
大体このゲームはジャンルでいえば忍者ものなのだ。
であれば限定された空間で話が進む方が自然というものだ。
てか僕にはSEKIROの世界ですら広すぎる。
でも素早いワープ機能と、ワープ拠点が随所に細かくあるのは本当にありがたいね。
爽快感

そういえば書いてなかったけど、SEKIROは爽快感が非常に高い。
というのもこのゲーム、基本的に敵の攻撃を防御で弾くところが攻撃の基点になるからだ。
敵の攻撃を弾いてズバッと返しの一撃を決める。
基本これの繰り返しなのだが不思議と飽きることがなく爽快だ。
おそらく敵の動きが多種多様だからだろう。
同じことの繰り返しであるようで、実のところそうではない。
つまり飽きにくく、苦労の末決める攻撃は実に爽快である、というわけだ。
ラスボスに最後の一太刀を浴びせた時の爽快感といったら、そんじょそこらのゲームでは絶対に味わえないほどの快感だった。
まとめ-SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEをプレイしてみて-
いやはや強烈にむずかった。
むずかったけどめちゃくちゃおもしろかった。
ゲームでこんなにドキドキしたのも、負けてちくしょうってなったのもはじめてかもしれない。
友人はやれやれうるさいし、評判すごくよかったから買ったけど、大正解だった。
1番の売りはプレイヤーの成長システムだろうと思う。
この目に見えない経験値を、バーチャルの世界から我々の体内に蓄積させる。
これをやってのけたフロムソフトウェアには最大の賛辞を送りたい。
現在ダウンロードコンテンツの発表はないようだが、続編がでたならすぐに買う。
またこの果てのない戦いに身を投じてみたいと、切に願う。