
2019年、池袋で大変痛ましい事故があった。
それ以降高齢者ドライバーに対する風当たりは、一気に強くなった。
高齢者は運転するな、免許返納することは立派なことである、という論調はもはや常識となりつつある。
だが本当にそうだろうか?
高齢者は本当に事故を起こす人が多いのだろうか?
若者は悲惨な事故を起こしていないのだろうか?
マスゴミは本当に真実を報道しているのだろうか?
この記事では高齢者ドライバーと交通事故、そして免許返納の是非について考えていきたい。
目次
高齢者ドライバーは免許返納するべきか?
当たり前だが高齢者は増えていく
日本の現状を考えれば、高齢者は増えていく。当たり前だ。少子高齢化と言われている通り、生まれてくる数が少ないうえに、人は毎年歳をとるのだ。
そこを考えずに高齢者の事故割合が増えていると叫ぶのは、はっきりいって馬鹿である。
そしてそう叫んでいるのは馬鹿とマスゴミだけだ。
全体の事故数、死亡者数は減少している。
しかし高齢者自体の割合は増えていく。当然事故に占める高齢者の「割合」も増える。
そのため若年層の事故数は減少しているのに、高齢者の事故数はほぼ横ばいじゃないか(実際はこちらも減少している)と考えてしまうのだ。
事故件数はそれほど多くない。
統計を見る前に注意して置かなければならないのは、そのデータが全体数を示すものか割合を示すものかである。絶対数が違うものを見比べれも意味はない。
今回の件なら「免許保持者10万人あたりの〜」といったデータを見なければならない。
まあそのへんは普通の人ならわかるだろう。
わからない、もしくはわからないフリをして、しかも視覚的に改竄したグラフを示すのは、マスゴミくらいのものである。
政府統計の窓口e-Statには2017年までのデータしかなかったのでこれを記すが、見て分かる通り「原付以上免許保有者10万人あたりの事故件数」は、16〜19歳が突出して多い。これはバイクが大部分をしめることが予想される。
次いで多いのは、一番身体能力が充実しているはずの20〜24歳である。
そして30代と80〜84歳を比べてもそこまでの差はない。
16~19歳 | 1,649.9 |
20~24歳 | 979.7 |
30~34歳 | 541.1 |
45~49歳 | 474.4 |
65~69歳 | 478.4 |
80~84歳 | 630.5 |
85歳以上 | 712.2 |
もちろん歳を重ねるごとに多くはなるが、事故件数を根拠に高齢者に免許返納を迫るなら、そもそも免許取得自体を25歳以上に変更しなければ、フェアではないといえる。
死亡者数
死亡者数に注目すると、また違ったものが見えてくる。
85歳以上のドライバーが重大事故を起こす割合が突出して高い。

「そらみろ、やはり高齢者ドライバーは危険だ。免許没収!」
といった声が聞こえてくる。
だがちょっと考えてほしいのだが、免許返納を迫る人たちの大部分は、池袋の事故のように他人に被害を及ぼすことを心配しているのではないだろうか?
であればもしかするとその危険度は、他の世代の運転とそれほど変わらないのかもしれない。
というのも85歳以上の死亡事故、当たり前だが運転しているのは85歳以上の人間だ。(本当にあたりまえだが)
であれば、体力のない、運転している本人が死亡している割合が高いのではないだろうか?(そこに言及したデータはみあたらなかった。高齢者の第一当事者の事故死亡率と、若者のそれで比べてみたいのだが)
そうであればまた考え方が変わってくる。
別に「高齢者ドライバーが亡くなってもよい」と言ってるわけではない。
「高齢者は他人を死たらしめる危険な運転をする確率が高い」という考え方は違うかもしれない、と言っているのだ。
もちろん、運転している高齢者の命を守るため、というなら話はわかるが、彼らからすればそれは余計なお世話というものだろう。
数字が違えど中年層も死亡事故はおこすのだ。
高齢者の数の半分だから自分たちは運転してもよいというのは、随分身勝手な考え方にみえる。
高齢者は免許を返納すべきか?
ここまで読んだ人は、僕が高齢者の味方だと思うだろう。
だが別にそういうわけではない。
ただ、考え方が結論ありきでフェアじゃないと言っているだけだ。
僕が述べたことを知っていて考えていて、それでも高齢者は皆返納すべきだと主張する人がいるなら、それはそれでいい。
ただ馬鹿なマスゴミの言うことを鵜呑みにするのは避けたほうがよいだろう。なぜなら馬鹿にしか見えないからだ。
あきらかに運転する能力のない人、ボケがひどい人、持病がある人は運転しないほうがよい。
免許も返納したほうがよい。
身分証明書に困るじゃないかという人がいたが、運転経歴証明書というものが代わりにもらえる。
更新の必要もなく生涯つかえるものである。
さてそういう明らかに運転できない人は返納したほうがよいのだが、問題となっているのはギリギリのところにいる人達だろう。
これに関しても返納の方がよいのかなあと思っていたが、最近は考えが少し変わった。
次項を読んでいただきたい。
自動運転技術の飛躍
自動運転技術の現状
自動運転の技術発展が目覚ましい。
試乗などで試したことがあるだろうか?
なければ一度試してみるとよいだろう。きっと考え方が変わるはずだ。
それほどに、僕たちの想像以上に自動運転は1つも2つも先を行っている。
レベル3の解禁と自動ブレーキの義務化
自動運転は到達すべき目標によって、レベルが0〜5の6段階に設定されている。
現在普及しているのはレベル2だが、ついにレベル3が実用段階に入る。
自動運転といえばドイツが進んでいるイメージだが、法整備の片手落ちにより遅れてしまっているようだ。
そんな中、日本では法の整備がついに完了し、まもなくレベル3の車が街に登場することになる。
レベル3の自動運転は、それまでとは別物といわれている。
もちろん登場者の義務や守らなければならない条件はあるのだが、手を離してスマホやテレビを見てもよいとされているのだ。
できそうでできなかった未来の世界、それがもう目の前まできている。
もちろんそれらを搭載した車は高級品だ。
一般に浸透するまではかなり長い時間がかかるだろう。
だがレベル1車に搭載されている自動ブレーキでも、事故防止には十分効果があるだろう。
そしてこの自動ブレーキ、2021年11月から、新車として販売される車には搭載が義務化されることが決まっている。普及していけば、かなり事故が減るであろうことが想像できる。
自動運転機能が搭載されていれば、池袋の事故は防げたか?
池袋の事故をおこした車には自動ブレーキは搭載されていなかったようだが、搭載されていたとしても残念ながら防げなかったようである。
フルアクセルの状態では、緊急回避行動と判断され自動ブレーキは作動しないようだ。
もしかするとレベル3であれば違うのかもしれないが、あそこまでスピードがでていては難しいだろう。
ただだからといって意味がないというのは馬鹿である。
他の数多くの悲惨な事故がこの世からなくなるのだ。
邪魔な慎重論
自動運転は素晴らしいけど、普及には慎重に、という意見をコメンテーターがのたまっていた。
それで犠牲者がでたらどうするのだ、というわけだ。
では逆に問いたい。
普及が早く進めば確実に事故で亡くなる人は減る。
死ななくてすんだ数多くの人の命はどうするのだ。
くだらない邪魔ははせず、黙ってアホ面を浮かべておいていてほしい。
自動運転が普及しだすと、マスゴミがまだかまだかと待ち構えるものがある。
自動運転が起因となった事故である。これは必ず起こる。
仮に自動運転が完璧でも、周りには愚かな人間がたくさんおり、ハンドルを握っているのだ。
どうかしょうもない意見に振り回されないようにしてほしい。
まとめ
まず「高齢者の運転が飛び抜けて危ない」というのは少し疑わしいと僕は思う。
もちろん信じられない運転をする者はいるが、そんなものは全年齢帯でいる。
数字を基に高齢者の免許返納を迫るなら、少なくとも若者の免許も停止剥奪しなければならないだろう。
自動運転が普及すれば確実に事故は減っていく。
統計と現状を見る限り、免許返納に関してはそこまで急ぐ必要はないというのが僕の意見だ。
もちろん高齢者ドライバーは放っておいてよいというわけではない。
というよりも、全体の事故数と死亡者数を引き下げることを考え、国民全員で尽力した方がよいと思うのだ。
特定の層を悪者にするよりも、そちらのほうがよっぽどいいのではないか、と。
ただこれはかなり少数派だろう。
それは違うと思うのなら、あなたはあなたが自分で考えた、自分の意見を持てば良いと思う。