
ギターやベース、ピアノ、ドラム、その他楽器を録音する時、
メトロノームを聴くよね?
で録音したものをプレイバック。
ふむふむいい感じ。
あ、メトロノーム(クリック)をオフで聴こう。
再生ボタンポチ。
え、リズムガタガタやん。
下手くそすぎる。
ということはないだろうか?
これにハマるとなかなか抜け出せないので、解決法を紹介する。
目次
メトロノームを聴きながら楽器演奏をREC。クリックオフで聴き返すと下手くそ。解消法

この症状、中級者に多い
この症状は中級者に多い。
初心者はそもそもメトロノームにあわせて弾くことが困難だし、
RECなどしない。
真面目にメトロノームで練習してきて録音なんかもやってみて、
思ってもみなかった自分の弱点を知るのだ。
上達の途中と考えれば大丈夫。
あなたの演奏はもっとうまくなる。
原因はメトロノームの聴きすぎ
メトロノームで練習することはとても大事。
これは間違いない。
でリズムが悪いという弱点を認識したら、
もっとしっかりメトロノームを聴こうとしてしまう。
だが実はこれがいけないのだ。
にわかに信じられないかもしれないが、
おそらくあなたはメトロノームを聴いた一瞬後に演奏している。
その感覚が身についてしまっているのだ。
そしてその次の伯や次の小節でジャストで入ろうとして、
つじつま合わせをしてしまう。
結果、メトロノームにあわせているので大きくみればリズムは一定なのだが、
細かくみればリズムガタガタでなんか下手くそ、
ということになってしまう。
じゃあちょっと早めに弾けばいい?
メトロノームよりちょっと早めに弾くか、
と考えてしまいそうだがそれはいけない。
結局めちゃくちゃメトロノームを意識して聴くことになるし、
なによりその考え方は、音楽的でない。
意識をメトロノームより演奏に置く

メトロノームを聞かない、という考え方が1番いい。
といってももちろんメトロノームを切ってしまうわけではない。
メトロノームの音量を下げるわけでもない。
メトロノームはただ流れているだけと認識し、演奏そのもののリズムに意識を置くのだ。
感覚としては9割ほど。
メトロノームは時計の秒針の音くらいに思っておけばいい。
頭の中で「カッ、カッ、カッ、カッ」
なんて唱えながら弾いていた人はそれを止めてみよう。
最初はメトロノームからズレて振り落とされたりするかもしれないが、
すぐに慣れる。
今まで変なクセがついてしまうくらいメトロノームで練習してきたのだ。
いい加減に聴くくらいでも意外に演奏できてしまう。
この感覚で弾けるようになるとあら不思議。
ちょっとくらいクリックからズレたところや、
波形でみてもつっこんだりモタったりしている所があっても、
いい感じの演奏に聴こえてくる。
いい加減に演奏しているヤツが、なんかいい感じに弾けちゃうのもそれが原因だろう。
メトロノームをあんまりちゃんと聴いていないのだ。
だがそれがよい。
弾き語りをするボーカリストも同じ。
歌に意識を集中しているので、変なつじつま合わせが発生しにくい。
演奏にそこまで重きを置いていない場合も多いので、メトロノームに支配されにくいのだと思う。
演奏中、自分自身の演奏を聴いていなかったことが問題
いや聴いてるし、自分の演奏を聴かないなんてありえないっしょ、
と思ったそこのあなた。
気持ちはよく分かる。
だが騙されたと思ってやってみてほしい。
観察しろというのは見るんじゃあなく観ることだ、聞くんじゃあなく聴くことだ。
ジョジョの奇妙な冒険 第四部 空条承太郎のセリフより
でないと……これから死ぬことになるぜ康一くん
ジョジョの奇妙な冒険、空条承太郎のこの言葉、めちゃくちゃ響くことになるだろう。
メトロノームを流しながら、しっかり意識して自分の演奏を聴いてみてほしい。
メトロノームの上に乗っかって演奏できるようになる
さらに感覚的な話だが、
メトロノームの「上」で弾く感覚を身に付けられるようになる。
お尻を押される感覚といえばいいだろうか。
前に言った通り、メトロノームに対してちょっと早く弾くとかではないので
そこは注意してほしい。
慣れるとメトロノームが聴こえなくなる
ぶれなくつじつま合わせなく正確に弾けるようになればなるほど、
メトロノームの音が聴こえにくくなる。
試しに優秀なドラマーに、
メトロノームにあわせて手を叩いてもらってみよう。
ジャストでズレなく叩くと、ほとんど聴こえなくなるのだ。
このことをとってみても、
メトロノームをしっかり聴きすぎることの弊害が分かるかと思う。
僕なんかは演奏している時、
メトロノームが聴こえないのはしっかり弾けている証拠と思っている。
メトロノームを裏で聴く練習がよい?
メトロノームを裏で聴く練習は良い練習だが、
この症状の改善にはならないかと思う。
まずは意識の置き方を改善してみよう。
びっくりするほど演奏が変わる。
メトロノームからの脱却。クリックから自由になろう
今まではメトロノームに完全に支配され、従属していたと考えてほしい。
意識をメトロノームから解離させると、立場は逆転する。
メトロノームは勝手に追従する存在になるのだ。
まとめ

かなり感覚的な話だったが、こればかりはどうしようもない。
自分の演奏を録音して、波形を観測分析し、
理屈で改善しようとしたことがあったがうまくいかなかった。
前述したように、ちょっと早く弾く、
ちょっと遅く弾くというようなことはやめたほうがよい。
前ノリ気味でとか後ノリ気味でとかいう言葉も同じだ。
本当の意味とはちょっと違う。
メトロノームを従属化できていない状態では、余計にガタガタになるだけだ。
それよりも自分の演奏に、弾いている時にこそ耳を傾けるべきだ。
人間には、自然に物事を美しく正す能力がある。
メトロノームだけに意識を置いてしまうことは、
その能力に蓋をしているのと同じだ。
ぜひあなたの内なる美意識を、フル活用してほしい。
それでこそ初めてグルーヴというものがつくられるのだ。
ちなみに、メトロノームを使用して練習をする時間を減らそう、
というわけではないので勘違いのないようにしてほしい。
まあそれはここまでちゃんと読んでくれたら分かるよね。
それでは、最高のメトロノームライフを!