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ギターでいい音をだしたいなら

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ギターで大切なのは、やはり音

エレキギターにおいて音はとても大切だ。
もはや全てだといっていい。
その証拠にギターだけは、音が悪いと各パートや各所からクレームがくる。
他のパートはギターに比べればそれほどではない。
無難な音をだしておけばツッコまれることはないし、ツッコみが入るなら同じパートのプレイヤーからくらいである。
そして逆に、音さえよければ少々間違えようが許されるのもギターである。
ギターにとって音は重要なファクターなのだ。

僕はその最適解の1つとして、Fractal Audio Systemsを採用している。

何が大切か?

エレキギターの音で一番大切なのは、一体何か。
昔からよく議題にあがるのがこれだ。
時には喧嘩に発展することもあるほど、様々な意見がある。
大きく分けるとこの3つ。

  1. 竿(ギター本体)
  2. アンプ
  3. 腕前

この3つに大別されるだろう。

結論をいおう。
エレキギターの音において一番大切なものは、アンプである。

さあ怒っている人がいますよ。
もうね、顔を真赤にしている姿が目に浮かぶようだ。

僕もね、ギターが好きだから1か3を主張したい。
でもね、エレキはアンプだよ。
これがもうほんと大きい。

どんなギターでも、よいアンプに繋げばとてもよい音

あなたが今の自分のギター本体の音に疑問を抱いているなら、一度よいアンプにつないでみるとよい。
とてもよい音がなるはずだ。アマチュアは大きなアンプで鳴らす機会がとても少ない。
しっかりしたアンプに繋がなければ、本当の音はわからない。
それもちょろっとリハ前に鳴らしたくらいでは分からない。
大きなアンプで鳴らすといっても、街スタではダメだろう。あまりに環境が悪すぎる。
ではどうすればよいか。
その際はアンプ専門店等に行くのがオススメだ。
専用のブースがありアンプの魅力をしっかり味わうことができる。
あなたが安いギター、例えばフェンダージャパンだとかを持っているなら、持っていってみればよい。
とてもよい音でなると思う。
ショップにおいて、一般的なマナーさえ守れば遠慮はいらない。わからないことがあるなら聞いてしまおう。
ちなみに専用ブースがなく、ギターの試奏スペースでアンプを試さなければならない店は多いが、大抵小さい音でしか鳴らさせてはくれない。
それでは何も分からないので、よいアンプかどうかは買ってから試してみるほかないだろう。

良いギターでも悪いアンプに繋がなければ聞けたものじゃない

逆に安物のアンプに高価なギターをつないでみよう。とてもひどい音がなるはずだ。

つまり「どんなギターでも、よいアンプに繋げばとてもよい音がするが、その逆はない」のだ。
もちろんその状態ではどんな上手い人が弾いてもひどい音である。
むしろ上手ければ上手いほうが悲惨である。

でもFractal Audio Systemsってアンプシミュレーターじゃん

そのとおり。
Fractal Audio SystemsのフラッグシップモデルであるAxe-Fx IIIをはじめ、基本的にこれらはアンプではない。アンプをシミュレートしたアンプシミュレーターがほとんどである。
アンプが大事と言っておいてシミュレーターを使うのかこの嘘つき、と言われてしまいそうだが、何も嘘などついていない。
理由は簡単

アンプシミュレータは、すでにアンプを超えたのだ。

アナログこそ至高の時代は、すでに終わりを迎えている。
それではFractal Audio Systemsの魅力をみていこう。

Fractal Audio Systems Axe-Fx IIIの評価

生アンプ VS Axe-Fx III

僕は冒頭で述べたとおりFractal Audio Systemsの「Axe-Fx III」というモデルを使用している。
レコーディングではアンプを使うことを完全にやめ(スピーカーを鳴らすことはある)、すべてAxe-Fx IIIを使っている。ちなみに前モデルのAxe-Fx II XL +から使用しており、これらとの付き合いは長い。

さて、生アンプ VS アンプシミュレータ、一昔前まで生アンプの圧勝だったが今は違う。
アンプシミュレータが完全に抜きん出たと僕は思う。
生アンプをシミュレートするアンプシミュレータのほうが音がよいなんて、なんだか矛盾してない? と思うだろう。でもそうなのだからしょうがない。
これはシミュレータの取り回しのよさが大いに関係している。

あなたが下記の環境にあるのであれば、生アンプの方がよい音をだせるだろう。

  1. よいアンプを複数台所有しておりメンテナンスも行き届いている。
  2. 大音量で鳴らせ、かつ、反響を計算されたブースを自宅に持っている。
  3. その音をDAWで録音できる。
  4. よいマイクで、完璧なマイキングで録ることができる。
  5. 各種調整をブース内でやってくれるローディーがおり、全ての音色を試す時間がある。

これらの環境にあるならば、流石に生アンプに分があるだろう。
いや、流石にそれは無茶言い過ぎ、と思った人。

これらの無茶をちょちょいのちょいでできるのが「Axe-Fx III」である。

元々高音質なのに併せ、音作りにかかる手間が生アンプと比べ圧倒的に少ない。
生アンプだと、アンプにマイクを立て、チェックをし、微調整をし、竿やピックアップを選び吟味し、「やっぱりこのアンプじゃなかったね」なんてことになったらまた違うアンプをひっぱりだす所から始めなければならない。
A、B、サビで音色が違うなら何日かかるか分からない。(違うことのほうが多いし、何パートもあるし)
で、そこまでできる予算も時間も大抵はない。
結局イメージと違っても、一番近いところで妥協しなければならないのだ。

この状態の生アンプの音と、緻密に吟味され音作りしたFractal Audio Systemsの音、どちらがよい音がするだろうか?

便利だからよい、とだけ言っているわけではない

いや確かに便利なのだが、楽だから使おうと言っているのではない。
音作りの選択肢と、それにかけることのできる時間が、圧倒的に多いのだ。
10個のアンプの音を聞こうと思えば、生アンプなら相当の時間がかかる。そもそも10個のアンプを所有することがまず大変だし、運搬もトラックが必要になる。
設置完了する頃には、もう音なんてどうでもよくなるほど疲れていることだろう。

それがAxe-Fx IIIなら一瞬である。これがフェンダーの音、これがマーシャル、メサ、マッチレス、AC30、ハイワット、オレンジ、あと伝説といわれたダンブルまで、なんでもあるよ、という具合だ。
もちろんスピーカーやマイクまで一瞬で変えられる。
その曲にあった音を、かなり広い選択肢から探すことができるのだ。
竿の選定にも時間がかかるものだ。ピックアップも含めれば選択肢は正に無限になってくる。
エフェクターなんかも考えてやらなければならない。
アンプ選びにかける時間を減らすことは、そのまま曲のクオリティに関わってくるのだ。

そもそも生アンプでよい音を鳴らし録ることは難しい

生アンプで音を作るのは難しい。
あなたはアンプのスピーカーから出ている音を直接聴いて、それがアンプの本当の音だと思っていないだろうか?
違います。
アンプの本当の音とは、それをマイクで録って、別のスピーカーから出てくる音が本当の音なのだ。
なぜならレコーディングでもライブでも、マイクを通った音を観客は聴く。
あなたが真に聴かなければならない音は、マイクを通ったあとのギターの音だ。

僕は生アンプを使っていたときも、決してブースで音作りをしなかった。
音を作るのはマイクを通した音をダイレクトで聞けるコントロールルームでだ。
そこにヘッドだけを持ち込んで音作りする。

アマチュアはそこをわかってない人が本当に多い。
生アンプを鳴らしその音を直接聴いて、やっぱりシミュレータとは違うぜなどとのたまっている。
比較する主になるものが違うのだ。
その音がマイクを通ってスピーカーから出る時、どれほどか細くなっているかを彼らは知らないし、知ろうともしない。

リコール

アンプシミュレーターのよいところに、リコール(同じ設定かつ同じ音を呼び戻す)が容易いということも挙げられるだろう。
ギターを録音した後に「ちょっとあそこの1小節だけ、フレーズを変えたい」と後日クライアントやアーティストが言い出したらどうだろう?
完璧に同じ音を再現できなければ前後がつながらない。
生アンプで録っている場合、そしてそれは中々難しい。スタジオでとっていた場合、家でのリコールはほぼ不可能である。
新しく音作りをし、その音色を使っているところは全て弾き直しすしかない。
自宅でアンプを鳴らせない場合は、またレコーディングスタジオにアンプと竿を持っていかなければならない。

しかしAxe-Fx IIIならどうだろう。
保存しておいた設定(しとけよ)を呼び戻し、1小節だけ弾けばよい。
10分とかからないだろう。
音はもちろんよい。

Axe-Fx III VS Kemper Profiling Amplifier

Axe-Fx IIIとよく比較されるのがKemperだろう。
僕はKemperを所有していないので軽々に評価はできないが、仲間内での評価はかなり高い。
プロファイリング能力に優れているので、すでに生アンプを複数所有している人は、こちらを試してみてもよいかもしれない。
僕ももし次モデルがでたら買おうと思っているのだが、中々発表されない。

値段

Axe-Fx IIIの値段は定価税抜¥350000とかなり高い。アンプシミュレータのなかではぶっちぎりの高級品である。
これを高いととるか納得価格ととるかはあなた次第だ。

ちなみに僕は、本当に買ってよかったと思っている。そうでなければ全モデルを持っていたのにすぐに最新モデルを買いはしない。(ちなみに全モデルのAxe-Fx II XL +も素晴らしかった)

あなたがプロで、これから宅録の仕事も引き受けるのなら、すぐに元がとれるだろう。

因みにこのクオリティを生アンプを3台揃えるとしよう。
おそらく余裕で100万は超えるだろう。
フラクタルなら100を超える数の同等のアンプが¥350000で手に入る。

ま、この手のものに拒否反応を起こす人は絶対に受け入れられないと思うので、まずは楽器屋で試奏してみることをおすすめする。

プロギタリストの導入

テレビでKemperを見る機会は多くなってきたし、宅録系ざっしではフラクタルもしょっちゅう写っている。
かなりの数のプロが、デジタルに移行を終えている。
もちろん、デモはフラクタルだが本番はアンプという人も多い。
(僕も最初はそうだったが、デモで入ってるフラクタルの方が音いいじゃんという場面が多すぎてフラクタルに完全移行した)

ただ海外の超大物アーティストは、未だ巨大なラックシステムで生アンプを使っていることも多いようだ。
やっぱり至高は生アンプなんだ! と喜ぶのは安易すぎる。
彼らアーティストはシールド一本すら自分でつながない、つなげない。
電源の入れ方すら忘れているはずだ。
全員ではないが、自分の足でエフェクターの切り替えもしない。
ようは他人がセットを組んでくれるからそれを選択しているだけで、自分ですべてやらなくならなければなった時、確実にフラクタルやケンパーを選択するだろうと思うのだ。

ちなみにラックを組んでいるローディーが、面倒くさいからといってデジタルを勧めることはないだろう。
むしろアナログのよさを訴えているだろうと思う。
デジタルなど勧め完全に移行されたら、そこにぶら下がっている自分を含めた何人もが、職を失うことになるのだから。

まとめ

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少し話があちこちに広がってしまったが、僕の意見をまとめると以下の通り。

  • エレキギターの音において、一番重要なのはアンプ
  • そして生アンプをデジタルアンプ(アンプシミュレータ)が超えつつある
  • Axe-Fx IIIはとても音がよい

ということだろう。

ギターの音に悩んでいる方は、一度検討してみては如何だろうか。

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