
ドキドキの初戦闘・の前の説明。ハマるとやばい天地の如くの思い出④

「でもあんまり平和だと暇だし、これからどっか攻めに行こっか」
我が連盟「ケツロ」(仮)のリーダーの言葉に、当然僕は腰を抜かしました。
攻める?
ええ!?
これからですか?
そう言葉を発したのは僕だけじゃあありません。
ほぼ全員の連盟メンバーがそう言いました。
皆僕より強くても、初心者なのには変わりありません。
戦闘なぞしたことがないメンバーが9割9分なのです。
「なに驚いてるのよ。これは戦争するゲームなんだから、戦うのがメインコンテンツじゃないの。なんの為に兵隊作ってんの?」
言われてみればそのとおり。
ストリートファイターでもドラクエでも、戦わなければ意味がないですもんね。
とはいえいきなり戦うなんて怖すぎます。
だってこのゲーム、CPUなんておりません。
相手は我々と同じ、1人の人間なのです。
しかもこちらに何かしてきたわけでもない人間を、攻撃する?
ちょっと頭が追いつきません。
というか頭では理解できても、心が追いつきません。
「まあ私が対策と指示を出すから、それをしっかり守ればケガすることはないわ。何事も経験よ!」
確かに経験は大事です。
逆に攻められでもした時に、戦闘の経験がないことの方が恐ろしい。
リーダーが一緒に行ってくれる時に学んでおくべきだと判断しました。
「リーダー、私ケツロン参戦します!」
そうチャットに書き込みました。
他のメンバーも数人行くみたいです。
「OK!まずはシステムの説明をするわね」
ここでリーダーからこのゲームの戦闘システムの説明が始まります。
特に大事なのが、虎の子である自分の兵をどう守るかということ。
このゲーム、兵隊が死亡すると消滅します。(武将は消滅しません)
資源と時間を投入して作った兵隊が消滅してしまうのです。
これはできるだけ避けねばなりません。
「このゲーム、守側が圧倒的に有利にできてるわ。で、重要なのが医館の収容人数。攻撃される際、やられた兵はまず医館に入るの。治療を受けるというわけね。でも医館に入れなかった兵は治療を受けられない。そのまま死んでしまうの。収容人数が1万で兵を8000人持っているとする。それならどれだけ攻撃されても兵が死亡してしまうことはないわ。でも逆に1万2000人の兵が城内にいたとすると、2000人の兵を失う可能性があるの」
なるほど、リーダーが医館の数をフルにしておくよう言っていた意味がやっとわかりました。
僕の城にはまだそれほど兵がいないので、医館収容人数にはまだ余裕があります。
「あ、おれ全然医館からはみ出るからダメだ」
と他のメンバー。
「普通はそうなるんだけど、対策があるの。敵地に着いたらまずいらない兵種の「車」とかをこのダンジョンみたいな所(名前忘れました汗)に派兵するの。ここにいる兵は誰も攻撃できないから。そうして城内の兵の数を調整して、まずは攻められても大丈夫な状態にする。これが基本ね」
なるほど。
医館収容人数と城の兵の数を調整しておけば、守備の時兵が消失することはないみたい。
「であとは資材ね。攻められて負けると非保護資源は奪われる。じゃあ非保護資源は今のうちに使っとけばいいのよ。城内の設備をレベルアップしたりして、非保護資源がはみ出ないようにできるだけ調整しておくといいわよ。まあもっとレベルが上がるとかなりの非保護資源を抱えながら闘うハメになるけどね。城レベルアップ間近はおちおち眠れなくなるわよww」
最後の方は何を言ってるかよくわかりませんでしたが、大事なところはわかりました。
資源はある程度保護資源という枠にため込むと、そこに入りきらないぶんは非保護資源に入ります。
この非保護資源こそ、奪ったり奪われたりする資源なわけです。
保護資源の枠なんて少しなので、簡単にあふれます。
今使っておけるなら、戦闘前に使っておくべきだということです。
「これをしっかりしておけば、やられるデメリットは限りなく小さくなるの。向こうのメリットもなくなるから攻められなくなるし。さて、厄介なのは攻める時」
そういえば先ほどリーダーは守備側が圧倒的に有利だと言っていました。
「攻める場合は医館に収容とかありません。つまりやられた兵は、全員死亡、消滅ってことね」
えー、と言ったのはもちろん僕だけではありません。
「そう、だからメリットがなければ攻めちゃだめ。だからまず偵察をだして、相手がどれくらいの資源を持っているか確認すること。そしてどれくらいの強さの兵種が何人いるかを見て、自分の被害を計算するの。でこれくらい奪えるなら、これくらい死亡するのは構わない、という計算がたったら攻撃するというのが大事ね。最悪全滅、全損ってこともあるから、攻撃はとにかく慎重に」
これは難しそうです。
「でも安心して。最初は私がこれは攻撃してOK、これはダメって指示してあげるから。まずは偵察しまくって、チャットにあげれば皆が見れるの。例えば……」
そういってリーダーが以前偵察した相手のデーターと戦闘のデータをだしてくれました。
「相手の兵種がこうだからこちらの被害はこれだけ。で、これだけの資源が奪えてるから全然OKね。なんか文句言ってきたから、もう一回やってやったけどw」
なんて恐ろしくも頼もしい人なんだ。
このリーダーについていけば、きっと大丈夫です。
「さて、じゃあそろそろ行きましょうか。前にうちにちょっかいだして来たところあったよね〜。ああ、ここだわ。じゃあ私が何個がピンを打つからそこに飛んで頂戴ね」
いよいよ戦闘が始まってしまいます。
続く。